Saturday, September 23, 2006

暗号技術のはなし(6)

拡散と混乱を組み合わせた暗号を、「合成暗号」とよぶ。そして、拡散と混乱に使う各アプリケーションを「ラウンド関数」とよぶ。これらラウンド関数を何回も繰り返して適用することでより複雑な合成関数にしたものを「反復合成関数」とよぶ。DES は反復合成関数だ。

強固な暗号方式を使った暗号は、暗号文を統計分析してもパターンを見出すことができず解読することができない。そして潜在的な暗号化キーの数も膨大なため、総当り攻撃では現実的な時間で攻略することができない。したがって、安全ということができる。

暗号は、暗号化方式と暗号化キーの組み合わせである。そのうち秘密なのは暗号化キーだけである。方式そのものは公開しなければならない。これを「ケルクホフの原理」という。方式そのものはスパイや暗号製作者の買収などにより漏れることがあるため、暗号の安全性は方式が秘密であることに頼ってはいけない。キーが秘密であることに頼るべきである。したがって、キーは交換が容易でなくてはならないことになる。

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